Media コラム記事

コラム一覧へ

PE(Private Equity)ファンドへの転職 ~採用動向・求められるキャリア・適正など~

こんにちは。ケンブリッジ・リサーチ研究所の島津です。

私はPE(*1)業界に特化した活動を行っておりますが、日々各PEファンドの皆様とお会いする中でお聞きしている情報から、現在のPE業界の採用動向や求めるキャリアや人物像などについて、お話ししたいと思います。

【採用動向】

引続き活況ですが、各社とも採用枠は年間で平均1名~2名募集と狭き門となっておりますので、手あたり次第に応募をして採用されるような業界ではございません。しっかりとした研究や準備が必要となります

【求められるキャリア・適正】

※基本的な部分では以下3つの選考基準が応募の大前提となります。

①M&A業務の経験+ファイナンスに関する深い理解(ハードスキル)
・PE、投資銀行、FAS(フィナンシャルアドバイザリーサービス)でのM&Aエグゼキューション経験者(財務モデリング、バリュエーション、ストラクチャリング等のスキル)が中心となります。
・上記の他、戦略コンサルティングファーム、事業会社M&A部門、総合商社投資でのM&A経験者(PEファンド向けプロジェクトやデュー・ディリジェンスのプロジェクト:投資対象となる業界・競合分析、投資後の成長シナリオ、事業計画策定スキル等)もPEファンドにより募集対象となります。

②なぜPEなのか、PEで何をしたいのか、というビジョンを明確に持っている
ハードスキルがある事を大前提として、各PEファンド共にソフトスキルについてはより重視します。「何故PEなのか?」、「PEがたくさんある中で、何故当社なのか」、「投資先企業を含め、人からの信頼を得られる人柄であるか」と言った点は徹底的に見られます。

③人柄(ソフトスキル)
「PE=ハンズオン」は各社共に必ず掲げており、「投資先と膝を突き合わせて共に汗をかけるか」、「中堅・中小企業のオーナーや従業員の信頼を得て、関係性を構築できるか」等、最終的には、投資先および投資家に対してコミット出来る強い意志と行動力を備えた人材でなければ採用には至らない厳しい世界です。
※一緒に働きたいと思えるか、年長者に受入れられる人柄であるかといった点は重視されます。

【PEファンドの選び方】

PEファンドへの転身理由として、ほぼ大半の方が「より事業の上流から実行面まで深く関わりたい」との希望を持たれています。それ自体は問題ないものの、各PEファンドの特徴や投資スタンスは異なる部分がある為、ご自身のキャリアの強みを活かす事が出来るPEはどういったところなのか、十分に研究・準備をした上で進めていくことが必要です。以下にPEファンドを希望する場合の大よその判断指標を記載致しますので、ご参考になさって下さい。

◆ハンズオンのスタンス
自身のスキルセット、バリューを発揮できるかという観点が重要となります。例えば、自分自身のタイプからも中堅、中小企業のオーナーと膝を突き合わせて、仕事を進めていくスタンスが合っていると考える方は、そういったディールサイズを中心に扱っているPEファンドがよりフィットする可能性が高いと思われます。

◆ディールサイズ
運用ファンドのサイズについて、各PEファンドは一つのファンドから5~10社への投資を行います。ディールフローの観点で案件がしっかりと経験できるかという点も大事な判断指標になるかと思います。
・ラージキャップでは基本的にはビットになった案件を扱う為、基本はEBITDA (*2)を伸ばす事が前提になり、どうバリューアップしていくかという点が重要になります。
・ミッド・スモールキャップのバリューアップは、内部統制含め会社としての体裁をなすという事を愚直に行います。投資先のオーナー・従業員と二人三脚し自走できる会社を作る。手触り感がある中で時に泥臭く物事を進めていく事が求められます。

◆業務裁量
所謂ラージキャップと言われるPEファンドとミッドキャップ・スモールキャップを対象とするPEファンドでは、投資のプロセスとバリューアップのプロセスが異なりますので、投資対象となる企業の規模によって自身が係わる業務内容(裁量)が限定的であるか、一気通貫であるかなど、ご自身が望むキャリアと照らし合わせて検討する必要があります。
(例)ラージキャップのPEでは、ビジネス・デュー・ディリジェンス(BDD)を大手コンサルファームに外注し、それらをコントロールする事が若手の仕事になりますが、ミッド・スモールキャップでは自らが全てに対応する事になります。

◆ライフ・ワーク・バランス
投資実行前後は投資銀行やFAS、戦略コンサルと同等に多忙を極めますが、自己裁量で時間管理をする事も出来る業界でもある為、メリハリのある働き方の実現は可能です。その為、各出身業界に比べると総合的にはライフ・ワーク・バランスは保ちやすいとの意見は多く伺います。(注:各PEにより異なります)

【PEファンドの魅力・やりがい】

PE投資は金融と実業(事業サイド)が複合した投資形態であり、ファンドの成果により、投資先の事業成長に大きく貢献出来るといった事が若くして経験出来る点はPEならではの最大の魅力です。PEファンドにはキャリードインタレスト(*3)がございますが、PEで活躍されている方々やPEへの転身を志向される方の多くは収入面よりも、「事業面への関心が高く、遣り甲斐や裁量」を求めている方が多く活躍されております。

【PEファンドへの転職をお考えの方へ】

PEファンドへの転職は非常にハードルが高い事が大前提となり、採用選考にも相応の時間を掛けて本当に自社にあった人材を採用する傾向が強い業界です。

私は常日頃から各PEファンドの経営層からメンバークラスの方々とやりとりをさせて頂いておりますので、短期的な転職希望に限らず、中長期的に検討されている方でも、情報交換をしながら継続してサポートをさせて頂く事が可能です。

まずはお気軽にご相談下さい。

PEファンド/投資先・CXO・新規事業領域担当
シニアコンサルタント 島津 奉文

*1 「プライベート・エクイティ・ファンド」の略。複数の機関投資家や個人投資家から集めた資金を未上場企業に投資し、経営支援など経営に関与することで企業価値を高め、IPOや売却によって利益を得ることを目的としたファンド。ベンチャーキャピタルもPEファンドの一種と考えられる。

*2 EBITDAとはEarnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略で、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益を指します。

*3 ファンドの運用成績がプラスだった場合、そのプラス分について、ファンド運営者はその一部を優先的に受領できます。これをキャリードイン タレストといいます。

TOP